これから鉄道模型を始める方へ

 2025-12-21  堀江 みゆき

皆さんこんにちは!ぼうそうぶの堀江みゆきです。鉄道ファンであれば、幼い頃にプラレールで遊んだ経験のある方は多いことでしょう。そのステップアップとして、鉄道模型の世界に入り込んだ方も多いことでしょうが、中には学生や社会人になって鉄道趣味にのめり込んだ方も多いはず。そんな方のために、ここでは鉄道模型の基本のキをご紹介します。

鉄道模型とは何か

鉄道模型とは、読んで字の如く鉄道の模型。プラレールのような玩具ではなく、実物を可能な限り精巧に再現した嗜好品です。近年は技術の向上や鉄道模型ファンの要求の高まりにより、サイズの小さい模型でもかなり精巧な造りになっています。しかし幼児や小学生が扱うことを前提にしたプラレールなどの玩具とは異なり、鉄道模型は高価かつ精密でデリケート。さらに細かい部品も多く、一般的に対象年齢はプラレールよりも高く設定されています。ちなみに、各製品の対象年齢は下記のとおりです。

  • プラレール:3歳以上
  • KATO:8歳以上
  • TOMIX:15歳以上

最近はポポンデッタの企業努力?により幼年層でも鉄道模型を触る方が散見されるようになっていますが、残念なことに模型の特性を踏まえない乱暴な扱いが目に余ります。鉄道模型は決して玩具ではありません。そのことは常に頭に入れておきましょう。

鉄道模型の規格

一口に鉄道模型と言っても、その規格は多様で、日本では線路の幅が9mmのNゲージが主流。反面、住宅が広い欧米では線路の幅が16.5mmのHOゲージが主流と言われています。このほか、日本の量販店で比較的見かけるようになった、線路の幅が6.5mmのZゲージ、模型店でもめったに見ることがありませんがHOゲージの凡そ倍のサイズであるOゲージなどがあります。

Nゲージ

日本で広く普及している鉄道模型の規格です。縮尺は150分の1が基本ですが、新幹線や外国型車両は160分の1です。ヨドバシカメラなどの量販店でも取り扱われており、鉄道模型を始めるならまずはNゲージという方が多いことでしょう。一から始める方のために、線路、車両、そして車両が走行するのに必要な電源装置がオールインワンになったスターターセットが、鉄道模型最大手のKATOとTOMIX両社から発売されています。Nゲージにおいて、どちらの会社がいいかは一長一短があり、永遠に答えが出ることのない命題ですが、これについては別の機会に。

KATOとTOMIXを筆頭に、マイクロエースやグリーンマックスなど車両に特化したメーカーも多く存在し、車両も古今東西様々な車両が各社から製品化されています。

HOゲージ

どちらかというと海外で一般的な鉄道模型の規格です。縮尺は80分の1が基本ですが、新幹線や外国型は87分の1。日本では高級品志向が強く、首都圏の通勤電車1編成で100万円に達することもあります。販路も鉄道模型専門店に限られているメーカーが多く、敷居が高そうなメージがあります。しかし実際にHOゲージの世界に入ってみると、KATOやTOMIXが比較的安価な量産品を発売していたり、キットを専門に発売しているメーカーがたくさんあることに気付かされます。もちろんキットであれば、完成品とは違い自分の手で組み上げなければならない手間はかかりますが、その分自分のこだわり仕様にできるメリットもあります。

Zゲージ

Zゲージは、日本では近年ロクハンにより広く普及し始めた規格。縮尺は220分の1で、当時の技術ではこれ以上小さい鉄道模型は作れまいという意味合いから、アルファベットの最後の文字「Z」を当てたんだとか。その後縮尺450分の1の「Tゲージ」が開発されましたが、普及には至りませんでした。日本では他に天賞堂くらいしか目立ったメーカーはないものの、ロクハンにより古今東西の国鉄、JR車両や私鉄車両の製品化が進んでいます。小さい分Nゲージよりさらに狭いスペースで楽しむことが可能なものの、現状はまだまだ普及途上な雰囲気。なおこのチャンネルでは当面の間Zゲージは取り扱いません。

HOゲージとNゲージ車両の比較(正面から)
HOゲージとNゲージ車両の比較(正面から)
HOゲージとNゲージ車両の比較(側面から)
HOゲージとNゲージ車両の比較(側面から)

鉄道模型はどこで売っているの?

いざ鉄道模型を始めよう!と思っても、まずどこへ行けばいいのか。「模型」なわけですから模型店に行けばいいのですが、近年は量販店や通販に押されて個人経営の模型店は減少しています。東京近郊なら、モデルスイモンをお勧めします。渋谷を筆頭に、東京23区内に5店舗と横浜駅前に店舗を構えているほか、通販も行っています。販売員の知識量は豊富で、わからないことも親切丁寧に答えてくれます。地方にお住まいの方なら、全国に展開しているポポンデッタやタムタムでもいいでしょう。いずれの店舗も、車両を購入する際は車体に傷や汚れがないか、ライトが点灯するか、動力車は問題なく走行するかを確認させてくれますので、不良品をつかまされる心配がありません。一方、ヨドバシカメラなどの家電量販店では、購入時に検品を行ってくれませんので、貨車や客車など動力やライトがない車両の購入やレールやストラクチャーなどの購入で利用する方がおすすめです。

どうしても実店舗から遠いという場合は、通販という選択肢もあります。ただ基本的に専門店でやってくれる検品は行わないので、不良品をつかまされてしまう恐れもあります。もちろん初期不良は販売店を通してメーカー対応になりますが、時間がかかってしまいます。決して安い買い物でもないので、私はなるべくなら実店舗での購入をお勧めします!

ヨドバシカメラ鉄道模型売り場
ヨドバシカメラ鉄道模型売り場
MODELS IMON渋谷店
MODELS IMON渋谷店

最初に何を買えばいい?

ゼロから始めるのであれば、KATOやTOMIXから発売されているスターターセットを購入するのがおすすめです。車両、線路、そして走行に必要な電源装置をひとまとめにしたセットです。車両は新幹線から特急車両、身近な都市圏の通勤車両まで多彩。ただし実車では長編成の車両でも、スターターセットでは3~4両程度に短縮されています。実車と同じフル編成で走らせたい場合は、別途「増結セット」を購入します。

スターターセットは知名度の高い車両から選定されているので、時には欲しい車両がスターターセットとしてラインナップされていない場合もあるでしょう。そんな方のために、線路と電源装置のみのセットも発売されています。このセットと、お好きな車両を組み合わせて購入するだけ。これで最低限の楽しみ方ができます。

基本セットと増結セット

新幹線や通勤列車など、編成で製品化される場合は「基本セット」と「増結セット」に分かれて販売されていることが多いです。増結セットの方が安価で販売されているので、少しでも安いものをと思うと増結セットを購入したくなるでしょう。しかし増結セットはあくまで基本セットにプラスするもの。モーターを積んでいる車両や、ライト類を積んでいる先頭車両がない分安くなっているだけであって、増結セットだけでは走らせることができませんし、編成にもならないので飾っても面白くありません。

よって編成で製品化されている車両を購入する際は、まず基本セットを購入するのが鉄則です。増結セットを購入すれば、実車同様の編成を楽しむことができますがそこはご予算次第。ただ買うか否か迷っているうちに完売してしまい、いざ欲しくなっても手に入らないということもありますのでご注意を。

HOゲージは?

HOゲージの場合は、KATOのみがスターターセットを発売しています。TOMIXもHOゲージを展開していますが、車両と鉄コレ、ジオコレのみで線路は自社で展開していません。では、KATO以外にどのメーカーが線路を発売しているのかというと、日本ではブラス模型で有名なエンドウくらいでしょうか。道床のないフレキシブルレールならもう少し選択肢が広がりますが、手軽な道床付きレールとなるとKATOかエンドウの二択になります。

どうやって走るの?

鉄道模型で主流なのは、直流2線式という方式。2本のレールにそれぞれ正極と負極の電流を流し、どちらのレールに正極を流すかで進行方向が決まり、電圧で走行速度を加減するという原理。ヘッドライトやテールライトも極の向きに対応しており、進行方向を変えるだけで変化させることができます。また室内灯は、進行方向にかかわらず点灯できるよう回路が構成されています。電圧は12Vがほとんどで、電流はおおむね1Aから3A程度。自作しない限りはオームの法則などを駆使して計算などをする必要はなく、電源装置を線路につないで線路に車両を置くだけで走らせることができます。

近年はデジタル・コマンド・コントロール、略してDCCというシステムも世界的に普及してきています。これは常時レールに交流の電流を流し、車両に搭載したデコーダーを介して車両の動きを制御するシステム。1本のレール上には1本の列車しか制御することができない、という従来の直流2線式の欠点を解消し、1本の線路上で複数の列車を同時に走らせ、あたかも本物の列車のような運転を行うことができる方式。しかし日本ではHOゲージにおいて上級者が導入するケースはある程度あるものの、NゲージにおいてはKATO以外はさほど熱心ではなく(むしろTOMIXは独自で自動運転などを実現するシステムを構築するくらい)、コントローラーやデコーダーなどのコスト、車両を改造する手間などが嫌われ、Nゲージそのものの普及人口の割には普及に至っていません。

なおぼうそうぶ鉄道模型部では、現在のところDCCを導入する計画はありませんのでご了承ください。

パワーパックの向きと進行方向の関係
パワーパックの向きと進行方向の関係

結び

ということで、今回の記事では、鉄道模型の世界に入るにあたり最も基本的なことをご説明しました。今日から鉄道模型の世界に入る方、ぜひぼうそうぶ鉄道模型部を一つの参考にしていただき、充実した鉄道模型ライフの一助になれば幸いです。